数字で分かるシャドウバース

シャドウバースを数字で考えてみます

「エボルヴは高コストの強力なカードが多い」は本当か~コスト分布の比較~

シャドウバース待望の新弾「ダークネス・エボルヴ(以下エボルヴ)」実装が近づいていますね。ファミ通app(雑誌)で新カードの情報がほぼ公開されましたので、クラシック(基本セット)とエボルヴの数字的な比較をしてみたいと思います。

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「エボルヴは高コストの強力なカードが多い」は本当か

低コスト帯のカードを主軸としたデッキが多い中、エボルヴは高コスト帯の強力なカードが多いという解説をちらほら見ます。上記のファミ通appでもそうした記述がありました。高コスト帯のカードが「強力」かどうかは現時点でなんとも言えないのですが、高コスト帯のカード自体が増えているかどうかはわかります。見てみましょう。

以下のグラフは、クラシックとエボルヴ(全クラス)のコスト分布です。

※トークンは含まれていません。

 

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こうしてみると、確かにエボルヴはクラシックと比べコスト5のカード比率は上がっていますが、コスト2、3の比率も上がっています。コスト6以上の比率は大差ありません。「エボルヴは高コスト帯のカードが多い」というわけではなさそうです。

クラスによって異なるコスト分布の変化

ただ顕著に違うのはコスト1のカード比率です。クラシックは全体の6%強がコスト1だったのに対し、エボルヴでは3%弱と半減しています。特に顕著だったのはエルフです。下記はエルフのコスト分布比較ですが、エルフはクラシックで11%がコスト1だったのに対し、エボルヴではコスト1のカードが0となっています。半減どころか全滅です。冥府エルフを始めとして、コスト1のカードが活躍していたイメージの強いエルフの傾向がごろっと変わったことも、「エボルヴ=高コスト帯」という印象を強くしているのかもしれません。

※以下すべてニュートラル以外エボルヴはn=14

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同様に低コスト帯のカードが活躍するロイヤルはどうでしょう。

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こちらは山のピークがコスト2→コスト3へと移動しています。ただコスト1、2の比率もそこまで大きくは変わっていないので、低コスト帯が中心のクラスであることに変わりはありません。

またニュートラルも低コスト中心からバランスの良いコスト分布に変わっています。

ニュートラルはn=11

 

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逆に比較的各コストにカードが散っていたクラスでは、特定のコスト域に新弾カードが偏ったケースもあります。ネクロマンサーとヴァンパイアです。

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ただしネクロマンサーは蝿の王(コスト7)や死霊の宴(コスト3)など、比較的インパクトのありそうなカードがコスト帯によらず存在しています。ヴァンパイアはブラッディ・メアリーという、新しいアーキタイプを生むであろう強力なレジェンドが出ました。いずれもコスト帯の変化の影響は少なさそうです。

逆にエボルヴでは低コスト帯の方が多いクラスもあります。ドラゴンです。

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エボルヴの竜巫女の儀式・竜呼びの笛といった強力なアミュレットはいずれもコスト3です。竜の知恵やドラゴニュートフィストなど、冥府ドラゴンのパーツとなるであろうカードも2~4のレンジにあります。「序盤は耐えてハイスタッツのフォロワーで押し切る」以外の選択肢が用意されたと見れます。

なおウィッチとビショップはあまり変化がありませんでした。ウィッチの場合、コスト帯よりも「土の印+2枚、土の秘術+4枚」という質的変化のほうが影響大でしょう。ビショップは……熾天使出しておけばいいんでしょうか……。

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以上、さらっとではありますが、エボルヴ実装による変化をコスト分布の面から見てみました。追加されたカードの内容も含めて考えると、「高コスト帯の強力カードが増えた」というよりも、運営が「各クラス、新しいデッキのアーキタイプ(の可能性)を提示した」ことで、結果的にコスト分布の変わったクラスが存在する、という結論になりそうです(ロイヤルはどちらかというとミラーを意識したカードが投入されてる感もありますが)。

今回はフォロワー・スペル等カードタイプの区別はつけていませんでしたが、フォロワーはフォロワーでスタッツ周りの傾向が少し変わっているので、次回はコスト別にみたフォロワーのスタッツ傾向比較をしてみたいと思います。